ウェブサイトの“存在意義”
この夏、立て続けにウェブサイトリニューアルのご依頼がありました。いずれも僕が数年前に制作させてもらったサイトです。それから数年が経ち、サービスの方向性が大きく変わるということで、リニューアルのご依頼をいただきました。こういったビジネスの進化の場面に立ち会えるのは、すごく嬉しいことですし、光栄なことです。
今回のリニューアルにあたって、僕はあることを再確認しました。それは、ウェブサイトの「存在意義」です。なぜそれが必要なのか?ということ。クライアントさんからいただいた言葉によって、改めてそれに気づくことができました。
クライアントさんからの言葉
今はコスパやタイパが重視される時代。そんな中、“わざわざ”ウェブサイトを見てくださる方は、気持ちが通う大切なお客さまになってくれることが多い。だからこそ、今回もしっかりと世界観やメッセージを伝えたい。ひとりのクライアントさんは、そんな想いを持って再度依頼してきてくださいました。
また、別のクライアントさんとは「覚悟を表す」という話になりました。“仕事”じゃなく「役目」を果たしていく覚悟。世間一般で言うところの“普通じゃない”自分、そんな「自分」を生きていく覚悟。そういった『決意表明をする場』として、僕がつくるウェブサイトを、もう一度選んでいただきました。
自分自身を“表す場”として
僕がウェブサイトの中で表現しようとしてるのは「その方自身」や「その方の生き方」です。クライアントさん自身の想い、価値観や感性。そういったものが表現できればと思って、常にデザイン制作に取り組んでいます。なぜそうなのか?それがビジネスをする上で、とても大切なことだと信じているからです。
ビジネスというと、表面的には「いかに売上を伸ばすか」ということが重視されます。そしてその本質は「いかに人の役に立てるか」ということ。しかし、その土台にあるべき「自分が自分であること」が蔑ろにされる風潮があるように感じます。だからこそ僕は「その方自身」をしっかり感じとり、それをデザインの中で表すということを続けてきました。
ウェブサイトは必要なのか?
前置きが長くなりましたが、本題の「ウェブサイトは必要なのか?」という疑問について。少なくとも、僕が担当させてもらったクライアントさんにとっては、そうだったという自負はあります。ご自身の考えを整理し、自信をもって前に進む機会として。また、自分が自分であることを表すツールとして、それを世の中に伝えていく手段として、大切に活用してくださってると感じています。デザイナー冥利につきますし、嬉しい限りです。
今は便利な世の中になりました。わざわざプロに依頼しなくても、ウェブサイトやその代わりになるものを安く早く、自分でつくることができます。“それっぽい”デザインも、誰でも簡単につくることができるようになりました。そんな中、こういった「ウェブ制作サービス」というのは、時代に逆行してるのかもしれません。
確かに、ウェブサイトを単に“モノ”として捉えると、そう言えます。ただ、ビジネスの中で「自分を表す」という側面から考えると、そうではないと感じています。“人”の温度や想いを感じとって、それを“人”がかたちにしていく。こういった人間にしかできないつながりを、これからも楽しんでいこうと思っています。