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いたく感動した「商売するなんて正気の沙汰じゃない」の話


正気の沙汰じゃない


先日、美容院に行ってきました。そこにはもう25年以上通ってます。ご夫婦でされてるサロンで、僕はいつもご主人さんにヘアカットをお願いしています。カット中はだいたい世間話をしてるんですが、お互いに自営業ということもあり、世の中の動きや商売の話になることが多いです。

その日に出てきたのが、「商売を続けるというのは正気の沙汰じゃない」というご主人さんの言葉。(実際にはハードな広島弁で「商売ゆぅもんは◯◯◯◯がやることじゃけぇねぇ」と過激な表現を交えた一言でしたが…)この言葉、一聴すると自虐的で卑屈っぽく聞こえるかもしれません。でも、長く商売を続けてきた人にしか言えない、何か奥深いものを感じました。


僕なりの解釈


僕がその言葉から感じたのはこうです。我々のような自営業は、誰かが収入の保証をしてくれるわけでもないし、頼るところもない。いい時もあるけど、悪いときもある。人には言えないようなこと、情けない思いもたくさんする。綱渡りな日々。そんな状況でも商売を“続ける”というのは、側から見ると「正気の沙汰じゃない」と。

でも、誰からどう思われようと関係ない。自分が「やりたい」からやってる。月々の保証があることよりも、それを選ぶ。そんな自分の「やりたいこと」を喜んでくれる人がいて、商売として続けられるなら本望…と、飛躍しすぎかもしれませんが、さっきの言葉をそんな風に解釈しました。


“やりたいこと”をやるため


言葉としては刺激的なものでしたが、僕はいたく感動したんです。色んな思いを抱えながら“やってきた”自信とか、自分を貫こうとする美しさ。そんなものを感じとりました。確かに、商売って一筋縄ではいかないし、それがいかに大変なことかは、やってきた人にしか分かりません。売上の大小によって、心を病んでしまいそうになることだってあります。

でも、僕たちが何のために商売してるかというと、「やりたいこと」をやるためです。売上は絶対に必要なものですが、その奴隷になるのは違います。このバランスをとっていくには工夫が必要ですが、「やりたいこと」が明確であればあるほど、自然と結果もついてきます。

と、何気ない会話から、そんなことを再確認しました。正気の沙汰じゃなかろうが何だろうが関係ありません。これからも愚直に「やりたいこと」を突き詰めていきたいと思いました。

AUTHOR

Designer / 津江 祐一

デザインの方法論を使って「イメージを形にする」ことを20年以上続けてきました。これまでの経験を生かし、“感性を成果につなげる”をテーマに開業ツールなどのデザイン制作を行なっています。

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