ビジネスを前に進める“価値”
前回までの記事では、「あなたから買いたい」が生まれるブランディングについて書いてきました。それは「共鳴」によって起きること。そして共鳴は、内側と外側が一致しているときに生まれます。
その一致をつくるために必要なのが、「あり方 → 役割 → 価値」という3つを積み上げることです。あり方で表現の根っこを定め、役割で自分だけのメッセージを見つける。今回は、ビジネスを前に進める上で重要な「価値」について掘り下げていきます。
相手が手に取りやすい状態に
どれだけ深い「あり方」があっても、どれだけ自分らしい「メッセージ」=「役割」を持っていても、そのまま「はい、どうぞ」と渡せるものではないので、それを伝えていくための“手段”が必要になります。それが「商品・サービス」です。そこに「価値」をつけていくことで、お客様が手に取りやすい状態をつくっていきます。
料理で例えるなら、メッセージという『素材』を、相手が「美味しそう」「食べてみたい」と手に取りやすいように『調理』して、一皿の料理として差し出す。これが、商品・サービスの「価値づくり」です。では、どうやって「価値」を生み出していけばいいのでしょうか?以下の3つの視点から考えていきます。
価値を高める3つの視点
1)本質的な価値
まずは「役割」のステップで掘り下げたことを、ここに当てはめます。自分が提供する商品・サービスによって、「どんな“変化”を感じられるのか?」を具体的な言葉にしていきます。これが、お客様に一番感じてほしい「本質的な価値」になり、自分の体験から生まれた「メッセージ」を届けることができます。
2)入口としての価値
次に、商品・サービスの“機能的”な価値について考えます。本質的な価値を届けるためにも、まずは「入口」となる商品・サービスの“機能”に対しての魅力を感じてもらう必要があります。リラクゼーションサロンを例にするなら、「どんな手技によって身体がどんな状態になるのか?」など、“機能的”な側面から、お客様にとってどんないいことがあるのか?どんな悩みを解決できるのかを挙げていきます。
3)心で感じる価値
最後に、お客様が感じる「感情」にフォーカスします。商品・サービスの機能そのものには影響しないけど、“心”で感じることができることは何か?商品であれば「外観などのデザイン」であるとか、サービスであれば「空間や接客スタンス」など。機能では差がつきにくい商品・サービスが、この「心で感じる価値」によって独自のものへと進化していきます。
このような「3つの価値」を明確にした商品・サービスができると、無理に売り込む必要がなくなり、つながりたい相手と自然につながることができます。
もっと“自分”を生きるために
あり方を整え、役割を見つけ、価値として届ける。このシリーズを通してお伝えしたかったことは、ブランディングが、「自分を生きること」の延長にある、ということです。
何かを足すのではなく、すでに自分の中にあるものに気づいていく。それが、そのまま「自分にしか出せない表現」になっていきます。無理をして、何者かになろうとする必要はありません。「あり方」を整え、自分だけの「役割」を見つけ、それを「価値」として届ける。そうすれば、ビジネスはもっと自然で、楽しいものになります。