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“ちゃんとしなきゃ”を手放すと、自己表現は動き出す


自己表現を阻むもの


前回の記事では、「自己表現とビジネス」というテーマでお話をしました。ビジネスとは「自己表現を誰かの役に立てること」。自分の経験や考え方、そこから生まれた気づきを形にして届けていく。それが自然で無理のないビジネスのあり方だということをお伝えしました。

僕自身の経験や、これまでたくさんの個人事業主の方を見てきて感じたことがあります。それは、“自分”を表現しようとしたとき、必ずといっていいほど「邪魔をしてくるものがある」ということ。今回は、それが何なのか、そしてそれを乗り越えていくための考え方についてお伝えします。


“ちゃんとしなきゃ”の呪縛


自己表現の前に立ちはだかるもの。それは、「ちゃんとしなきゃいけない」という“思い込み”です。正しくなきゃいけない。間違ってはいけない。この感覚が、“自分”を出すことへのブレーキになりがちです。例えば、自分の意見を発信しようとしたとき。「これって正しいのかな」「批判されたらどうしよう」「もっとちゃんとしてから出さないと」と、いつの間にか自分の中に”検閲”が入ってしまう。

でもこれは、意志の弱さや勇気のなさではありません。これまで生きてきた中で、気づかないうちに染み込んでしまったもの。学校や社会が求める「こうあるべき」に応えようとする中で、自然と「はみ出さないようにする」癖がついてしまったんだと思います。この感覚が、自己表現の芽を摘んでいくのかもしれません。


“正しい自己表現”なんてない


でも、少し立ち止まって考えてみると、そもそも「ちゃんとする」必要ってあるんでしょうか?自己表現に“正解”なんてありません。自己表現とは、自分の内側にあるものをそのまま外に出すことです。そこに「正しい・間違い」はないはず。

過去の経験から感じてきたこと、大切にしてきたこと、それをそのまま出すだけなのに、なぜ”正しさ”で測ろうとするのか。それは、自分の中にあるもの、その価値を「まだ信じ切れていない」からじゃないかと思います。


自分で自分の価値を認めること


だからこそ、必要なのは「自分で自分の価値を認めること」だと思っています。と言っても、無理に自分の価値を高めようとする必要はありません。内側から自然に高めていきます。以前の記事でお伝えしたように、まずは自分の中にある感情を、そのまま認める。「ちゃんとしなきゃと思ってるんだな」「批判されるのが怖いんだな」、そういった自分の内側の声に気づいて、「そう感じてていいよ」と受け入れる。

その積み重ねが、少しずつ「自分の中にあるものを、そのまま出していい」という感覚につながっていきます。そして、こちらの記事こちらの記事でお伝えしてきたように、自分に余白を与え、違和感や小さな感覚に耳を傾けていく。すると、じわじわと「自分にしかない視点や経験を、誰かの役に立てたい」という実感が育っていく。これが、自分の価値を認めることにつながっていきます。


”完璧な自分”を出さなくていい


自己表現は、完成された自分を見せることではありません。こんな風に考えると分かりやすいかもしれません。例えば、すごく素敵な映画を観たとき。その映画の素晴らしさを、誰かに伝えたくなったりしませんか?それは、その映画の価値を疑っていないから。「これは素晴らしい」と、自分が心から思えたものは、自然と誰かに伝えたくなるものです。自己表現も、まったく同じです。

「ちゃんとしなきゃ」という思い込みを手放していくと、少しずつ自分の本音が出しやすくなっていきます。その本音こそが、自己表現の素材です。そしてそれが、ビジネスの土台になっていく。自分の内側にあるものを認めて、そのまま外に出していく。その繰り返しが、「自分にしかできないビジネス」をつくっていきます。

AUTHOR

Designer / 津江 祐一

デザインの方法論を使って「イメージを形にする」ことを20年以上続けてきました。これまでの経験を生かし、“感性を成果につなげる”をテーマに開業ツールなどのデザイン制作を行なっています。

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