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ひとりビジネスで“自分”を表現する方法(2)─ 役割


自分独自のメッセージを伝える


前回の記事では、“自分”を表現する上での土台になる「あり方」について掘り下げていきました。今回は、それをビジネスでの表現へと昇華させる「役割」について。「役割」と聞くと、会社での業務や与えられたポジションなどを思い浮かべるかもしれません。でも、ここで言う「役割」とは、もっと根源的なものです。それは「自分だからこそ語れることを語っていく」ということ、自分独自の「メッセージ」を伝えていくということです。

しかし、多くの人は「自分には特別なメッセージなんてない」と思うかもしれません。でも、誰しも必ず「自分にしか語れない物語」を持っています。何かを乗り越えた経験、克服したコンプレックス、そこから得た学びや気づき。このような『自分がどう変われたか』を言葉にして伝えていくことが「役割」になります。


どんな“変化”を提供できるか?


では、なぜ「メッセージを伝えていくこと」が必要なのでしょうか?そのヒントは、“ビジネスの本質”にあります。どんなビジネスも、その本質は「悩み解決」をすることです。お客様が求めているのは、商品やサービス“そのもの”ではなく『悩みが解決できる』こと。そこで得られる「変化」、「変わりたい」という願いを叶えてくれるものを欲しています。

そこで活用したいのが「自分自身が変化できた体験」です。自分は「何をすることで」「どんな風に変われたのか?」。それを自身のサービスに込めていきます。少し分かりづらいかもしれないので、僕の例でお話ししますね。僕は以前、「デザイン」という仕事を「表面を美しく飾ること」だと定義していました。でも、今は違います。

・あり方:人生をデザインする人として存在したい(広い意味での“創造”する行為)
・役割:答えは必ず「自分の内側にある」ということを伝えたい(自身の経験から学んだこと)

僕は、自分のメッセージを伝えるために「デザイン制作」という“手段”を選んでいます。一見、「答えは内側にある」という精神的なメッセージと「デザイン」は関係ないように思えます。しかし、僕は制作プロセスそのものにメッセージを込めています。

徹底的に想いをお聴きし、目に見えない内側にあるものを「目に見える形」にする。そうすることで、クライアントさんは「自分の中にある答え」に確信を持つことができます。僕が本当に提供したいのは「自分と向き合う機会」を通して、「もっと自分らしくビジネスを楽しめるようになる」という『体験』です。

このように、商品やサービスが何であれ、そこに「伝えたいメッセージ」を込めることは可能です。整体師さんなら、「施術」を通して「自分の体を愛することの大切さ」を伝えることができるかもしれませんし、アクセサリー作家さんなら、「作品」を通して「日常にときめきを持つ喜び」を伝えられるかもしれません。やり方はいくらでもあります。大切なのは、商品・サービスを通して「何を伝えるか?」です。


役割を見つけるヒント


“自分”を表現する上で大切なのは、教科書的な知識やノウハウではなく、「自分はこうして変われた。だからあなたも変われるよ」という実体験に基づく言葉です。あなたと同じ悩みを持ち、それを乗り越えてきた私だからこそ、あなたの痛みがわかる。このような『共感』こそが、ひとりビジネスにおける最強の武器になります。では、どうやって「役割」を見つければいいのでしょうか?以下の3つのヒントを、ゆっくりと掘り下げてみてください。

変化 ── ビフォー・アフター
その「気づき」を得たことで、あなたの人生や価値観はどう変わりましたか?ビフォー・アフターで、どんな新しい景色が見えるようになりましたか?

経験 ── 悩みと葛藤
あなたは過去、何に悩み、どんな壁にぶつかりましたか?泥臭い葛藤や失敗談にこそ、誰かを勇気づける価値があります。

気づき ── ターニングポイント
その経験を通して、あなたは何を学びましたか?「大事なのはここだったのか!」と、内側で気づき、腑に落ちた真実は何ですか?


ビジネスを飛躍させる鍵


ビジネスを飛躍させる鍵は『共感』と『独自性』にあります。経験から生まれた『独自』のメッセージは『共感』を呼び、お客様と深い“心”のつながりを持つことができます。このような「役割」を定めることは、誰とも比較されない「選ばれる理由」になっていきます。

そして「役割を果たしていく」ということは、そのビジネスを行う「目的」になります。それが原動力になり、ビジネスをもっと前に進めることができます。次回は、その上で重要な、商品・サービスの「価値」の生み出し方について考えていきたいと思います。

AUTHOR

Designer / 津江 祐一

デザインの方法論を使って「イメージを形にする」ことを20年以上続けてきました。これまでの経験を生かし、“感性を成果につなげる”をテーマに開業ツールなどのデザイン制作を行なっています。

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