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ひとりビジネスで“自分”を表現する方法(1)─ あり方


“あり方”とは?


今回は、自己表現を組み立てる上で一番の“核”である「あり方」について掘りさげてみたいと思います。そもそも「あり方」とは何でしょうか?色んな解釈があるようですが、あり方とは『自分がどんな生き方をしたいか』ということだと捉えてます。言い換えるなら、人生や仕事の“判断基準そのもの”です。

最近、多くの人が“正解”を求めているように感じます。そして「自分はどうすればいいのか?」と迷い、その答えを外側に求めています。ビジネスの場面なら尚更かもしれません。でも、自分にとって最適な答えは、「あり方」として、すでに自分の中にあります。この「あり方」という土台があってこそ「自己表現としてのビジネス」が立ちあがっていきます。

【 あり方を明確にするメリット 】

⚫︎判断の基準ができる
何を選ぶか・何を手放すかといった判断をしやすくなる。

⚫︎エネルギーの源になる
自分の行動が、“やらなきゃ”から“やりたいからやる”に変わっていく。

⚫︎仕事・表現の出発点になる
自分にとっての役割やビジネスとしての価値など、すべてがここから生まれる。

⚫︎ブランディングの核になる
見た目のデザインだけでなく、サービスそのものが“自分らしさ”の体現になる。


“あり方”を構成する3つの要素


僕はデザイナーとして、たくさんのクライアントさんの「自己表現」をサポートしてきました。その中で気づいたのは、心や身体で感じる「感覚」こそが、それぞれにとっての“正解”だということ。その「感覚」を起点に、以下の3つのステップで“言葉”を探っていくと「あり方」が見えてきます。

① 感 覚 ── 心地いいと感じる“感覚”
思考よりも“身体”で感じる心地よさや、自分が自然でいられる感覚。

② 価値観 ── どんなことに“心が動くか”
感じたことから自分が大切にしていることを知る。選択や判断の軸を明確にする。

③ 理 想 ── どんな日々を“生きたいか”
どんな日々を生きること、どんな「状態」が理想的なのかを具体的に言葉にしてみる。


3つの要素から“あり方”を言葉に


先ほどの「感覚→価値観→理想」の流れを具体的に解説していきます。まずは、自分にとっての“心地いい感覚”を思い起こします。例えば「どの瞬間に楽しい・嬉しいと感じるか?」「どんな時に“自分らしさ”を感じるか?」など。自分自身が“実感”してきた心地よさをイメージしていきます。

心地いい感覚がイメージできたら、その背景にある“価値観”を思い浮かべます。それを“心地いい”と感じるということは、自分が「何を」大切にしたいのか?世間の正解よりも、自分が大切にしたい基準は何なのか?その“価値観”を具体的な言葉にしてみます。

言葉になった“価値観”を並べてみると、自分が“どんな状態で”生きていきたいかが見えてきます。例えば「穏やかでありながら、創造的でありたい」「他人軸ではなく、自分軸で誠実に仕事をしていきたい」など。ポイントは、Doing(何をするか)ではなく、Being(どんな状態で在りたいか)であること。これが、自分にとっての『あり方』になります。


あり方は自己表現の“核”


こうやって文章として解説すると、ちょっと複雑に感じるかもしれません。でも、その本質はシンプルなもの。『感覚に集中して、自分が“どう生きていきたいか”を言葉にする』ということです。

なぜ、この「あり方」が大切なのかと言うと、ひとりビジネスの成果を生む鍵である「共感」を呼ぶからです。その共感を呼ぶためのポイントになるのが、自分自身の「本心」です。嘘偽りのないピュアな“想い”、自分が“本当に価値を感じていること”は、必ず誰かの心に刺さります。

その土台になるのが「あり方」。このあり方を基準にすると、この先に積み上げていくものに“心”が乗っていきます。そうすることで『自己表現としてのビジネス』が成り立ちます。次回は、この「あり方」から生まれる「役割」について。あなたが「誰に何を届ける人なのか」を、一緒に見つけていきましょう。

AUTHOR

Designer / 津江 祐一

デザインの方法論を使って「イメージを形にする」ことを20年以上続けてきました。これまでの経験を生かし、“感性を成果につなげる”をテーマに開業ツールなどのデザイン制作を行なっています。

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