揺れ動く気持ち
好きなことを仕事にしたい。得意なことや、夢中になれることで生きていきたい。そう思ってビジネスを始めたはずなのに、気づけば「どうすれば売れるか?」ばかりに気を取られてしまう。このような「やりたいこと」と「売れること」の間で気持ちが揺れ動くのは、ひとりでビジネスをしている多くの人が通る道です。
特に、うまくいかない時期があると、無意識のうちに「やりたい」よりも「売れる」を優先させてしまう。でも、そこで一度立ち止まって考えてみたいのが“売れ方”です。自分がどんな“売れ方”をしたいのか?その問いから、本当は「どうすればいいのか」が見えてきます。キーワードは、『損得勘定』よりも『心』で買ってもらう“売れ方”です。
“損得”を前提にした売れ方
どんな商品・サービスでも、人が何かを購入するときには、以下のように心が動いていくそうです。そして、こういった購買心理に沿った“売り方”が、効果的だとされています。
①認知:広告やSNSなどをきっかけに、商品やサービスを知る。
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②興味:その商品・サービスに対して、興味や関心を持つ。
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③比較:興味・関心を持った商品・サービスを、他のものと比較検討。
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④購買:比較検討した結果、その商品・サービスの購入を決断する。
すべてに当てはまるわけではありませんが、実際に何か購入する場面を思い出したとき、確かにそうだなと思います。自分にとってより良いものを比較・検討して、なるべく「早く・安く・便利に」手に入れたい。日常的に使うものなどは、そういった傾向が強いのかもしれません。しかし、僕たちの「やりたいこと」が、こういった「損得勘定」を前提とした“売れ方”でいいんでしょうか?
“心”で感じてもらう売れ方
相手の「損得勘定」を意識しすぎると、価格競争に巻き込まれたり、自分の意図とは違った方向にビジネスが進みがちです。それを打破するのが、『心』で買ってもらうという考え方。
スペックやメリットで判断されるんじゃなく、自然に相手の心が動いて、自分のことを選んでもらう。他と比べて「得だから」という理由ではなく、「この人だからお願いしたい」と、“心”で感じてもらう。この状態を目指すことで、やりたいことが売れていきます。
サービスに“気持ち”を乗せる
では、具体的にどのようにすればいいのでしょうか?ポイントは、相手の心を無理に動かそうとしないこと。ビジネスも、本質的には「人間同士」の関わりです。損得勘定や下心って、なぜか伝わってしまいます。インターネット上で目にする広告に、胡散臭さやキナ臭さを感じるのがいい例です。
ですから、そういった「相手をコントロールしたい」という気持ちは、一旦忘れることにします。その代わりに、自分のピュアな気持ちを尖らせる。自分はこうありたい。自分にできることを、こんなことに役立ててほしい。こんな人たちとだけ関わっていきたい。
こういった「自分の気持ち」をサービスに乗せることができると、それが自然と相手にも伝わります。そして、自分をオープンにすればするほど、感性や価値観に共鳴してくれる人が集まってきてくれます。結果として、自分の「やりたいこと」が「売れる」という状態を手にすることができます。